発育が良すぎた為人気者になった男

人間とは、「コンプレックス」を隠しながら生きていく人間である。


例えば、国民的女優の新垣結衣だってお風呂に1年入らなければ絶対に臭いし、定期的に髪の毛を切らないと、毛量と長さが大変なことになり、いくら顔が可愛いとはいえ、見るに耐えない姿になるだろう。


臭くならない為に風呂に入るし、容姿を整えるために美容院に行く。不細工な顔のやつは、ごまかすために化粧をするし、胸の小さいやつは、ブラジャーにパットを入れて胸の大きさをごまかす。


人間は言わば、「ごまかし」の生き物。ごまかしあって生きている。


小4の夏。忘れられない出来事があった。


プールの授業だった。中学校高校になるとプールというものはだるいだげの行事で、サボることの多いものだが、当時は4年生。まだプールは楽しいという感覚しかない行事だった。


その日は、飛び込みクロールというのをやっていて、これは名前の通り、プールに飛び込んでそのままクロールを行うと言うもの。


何人か順番に飛び込んでいくのを後ろで待ってた。


俺の前には女子の「石川ゆり」という人物がいた。


この石川という人物は、言葉にしにくい。


一言で言えば「変わってた」。もっと悪い言い方したら「変なやつやった」。


女子なのに体格がめちゃくちゃガッチリしていて、学年1.2を争う高身長だった。


余談になるが、前回書いた「5人衆」のうちの1人 徳永ケンジの中3の時の誕生日に、c74という公園で遊んでいたら、急に石川が現れて、「はい、徳永!誕生日プレゼント!」と言って、封筒に入った現金20万円を渡して、ケンジが「おー、ありがと。帰ってええで」と言われて、「わかったぁ!」


と言ってチャリで全力立ち漕ぎして颯爽と去っていったことほんまに一生忘れられへん。


ツッコミ点は山ほどあるけど、何故中3で現金20万も手に入れられたのかとか、それを受け取ったケンジも「あーありがと」ってそんな平然なんとか、


色々あんねんけど、当時確実に思ってたのは「ケンジはこいつは絶対大物になるわ。」

と。いろんな意味で大物になってもうたがな。


石川がケンジに恋心を抱いていたのはほぼ間違いないと思っていいと思うが、何が彼女をそうさしたのか。当時の20万なんて社会人になった今で言うと200万くらいの価値はあると思う。俺がもし当時のケンジの立場なら一回くらい石川のこと抱いてやっても良かったんじゃないかと思う。いや、石川は流石に無理か。


話がずいぶん逸れてしまったが、石川はそんな感じで変なやつやった。


幸いなことに、このブログというのは小中の同級生の5〜6人しか見てないと思うから、だいたい石川のことは伝わっているかと思う。話を続けよう。


飛び込みクロールの順番を待っていて、前が石川。当時の石川のイメージは変なやつっていう印象がつく一歩手前くらい。

微妙に距離を開けているくらい。


そして石川の番に。


先生が「構えて!」と言う。


すると石川は飛び込みの体制に構える。この飛び込みの体制というのは、手を伸ばし、頭の上で手を重ね、三角形を作り、体は90°に曲げて体勢を作る。


その際に俺は見てしまった。


石川の脇にブラックホールができていることを。


脇毛である。


密に生えているその脇毛は、密度がありすぎて黒々しかった。まるでブラックホールのようでなにか吸い込まれてしまいそうなそんな感じだった。


あそこまで密度の濃い脇毛は、今現在に至るまであれ以上の物は見たことがない。


今となれば、小学生は女子の方が発育が早いという知識があるために当時の石川のあれは理解できるが、


小4の俺にそんな知識はない。


俺は絶句した。見てはいけないものを見てしまったような感じ。


率直に感じたことは気持ち悪い。ただそれだけ。石川の脇毛。ということがおおきかったのかもしれん。


ただ発育が早いとはいえ、今考えても小4であの量は発育早すぎてもう今頃生理終わってんちゃんって思う←ほんま失礼


その日の家の晩ご飯がちらし寿司やったんやけど、その上に乗ってる刻み海苔が、石川の脇毛に見えて食べられへんかった。


親が心配して「しんどいんか?」って言うてきたけど、


「その海苔が石川の脇毛に見えて気持ち悪くて食べられへん」なんて到底言えるわけもなく、「頭が痛い」という小生意気な理由でごまかしたのはちょっとした裏話。


2年後の小6でクラスに中島まさはることまぁー↓くんという男の子がいた。


プロ野球選手の田中将大はまぁー↑くん。


中島まさはるは、まぁー↓くんな。これ重要。以下、まーくん


まーくんは、クラスの人気者だった。


何故なら


ダンディー(髭が生えてるから)」だから。


まーくんもやっぱり発育が良くて、高身長ですね毛もしっかり生えていた。


勉強もできたし、足が長いため足も早かった。


みんなから髭が生えてるからという理由でまーくんからまー様にあだ名も変わっていた。


「まー様おはようございます今日もかっこいいですね!」とか、「まー様のように俺も髭はやしたいです」とか、みんなまーくんに敬語使ってた。


一方でまーくんはというと、ものすごく静かなタイプな子で、優しくて絶対人を傷つけないタイプの人間で


そんなことを言われたりしても


「俺、ほんまにかっこよくないって、、、」とか、「伊藤様のほうがかっこいいですよ」とか、上手くかわすような対応をしていた。


ある日クラスの新聞係が作った新聞の記事に


6-1かっこいい人選手権

という記事が出た。

その記事に書かれていたのは


6-1かっこいい人ランキング!

1位マー様17票

2位いおきょうすけ1票

いない20票でした!


と書いてあった。まじ八百長。笑

もちろんいない20票は女子だろう。

いおにかんしては俺。笑


まーくんは

「ほんまやめてや、、、」みたいなんじで顔真っ赤にしてた。俺は思った。


これいじめやん、、、って。笑


数日後の新聞にも

6-1流行語大賞


という記事で

1位に「まー様」ってなってた笑


人の名前が流行語ってもう意味わからん。笑


そして6年生最大のビッグイベント修学旅行。


俺はまーくんとは別の班で別の部屋で宿泊していたのだが、


俺たちの班である議題になった。


「まーくんのチン毛ってどないなってんねんやろうな。」って。


失礼な話、めちゃくちゃ気になった。


あんなに立派な髭蓄えてるから、さぞかし凄いことになってんねんやろうな


って。思い立ったらすぐ行動。


みんなが寝静まった夜中1時。まーくんの眠る部屋に忍び込み、まーくんを囲んだ。


その時にまーくんのお母さんの顔とか、まーくんの弟の顔とか浮かんだし、息子が楽しい修学旅行でチン毛確認されてんのどう言う気持ちなんやろとか思ったけど、もうまーくんのチン毛みたい衝動は抑えられへん。


「よし、いくぞ。」


まーくんのスボンとパンツを一気にずらすと衝撃の光景が広がっていた。


それを4文字で表せって言われたら


アマゾン。これ一択。密林。いや、熱帯雨林


ブロッコリー、いや、アフロ。スキマスイッチの歌ってない方の髪型。


これ火つけたら大変なことになるわ。

これはやばい。となった。


幸いにもまーくんは起きなかった。


それからと言うもの、俺はまーくんをまー様呼びをやめて神様と呼ぶようになった。