藤白台の悪童 渡辺涼との思い出
久しぶりに渡辺涼(以下涼)のFacebook見たら、いつのまにかごりぽんが友達なっててばりわろた
涼絶対おもてるやん。「こいつ誰やねん」って。
だけど、「全然知らん女やけど、もしかしたらヤレるかもしれんな。申請許可しとこ。」
って感じで申請許可してる多分。
涼、実際のごりぽん見たらびびるで。女性ホルモンのかけらも見えへんから。←死んだほうがいいくらい失礼
この渡辺涼に関して、インスタに書いたところめちゃくちゃ反響が良かった。
同じ小学校の人はもちろん、涼を知らない高校の友達や後輩からも
「続編はまだか」という言葉を頂いている。
残念ながら連絡が途絶えてしまって、涼に会いたいと本気で思っていた気持ちから、インスタのウケが良すぎて、「インスタ投稿のために涼に会いたい」という気持ちに変わっていたのは満更嘘ではない。
何通かメッセージのやりとりをしているうちに「一方通行の愛」というものを強く感じた(俺が一方的に涼に対して愛を持ちすぎていた)し、その一方通行が段々確信になってくると同時にその愛はだんだん冷めていって、インスタを見てくれてる人を笑かす為に最後の手段として、会って食事をとも思ったが、それも諦めた。
何回やりとりしてもずっと敬語やし、
女紹介してっていってくるし、(20年会ってへんねんで?ガイジやん笑)
なにせ、1番決定的なんは、あんなおもろかったやつやのに、言うことなすこと全くおもろない。
田端しゅうきよりおもんないんちゃうん。
中学の時、田端しゅうきが理科の授業で「コマゴメピペット」のことを「こめかみピペット」って言ってた瞬間が人生で生きてきて1番おもんなこいつって思う瞬間やったけど、それと同じくらいおもんなかったわ。
小学校の時の思い出とか、ほんと大事にしたいタイプなんやけど、やっぱり今も友達でいてくれる人間が1番だと、本当に感じた。
当時の思い出は当時のまま。しっかり胸に刻んで現在の涼とは縁がなかったと思うことにする。
インスタ映えとかほんましょうもないわって思ってて、
なんか、スタバのアイス乗ったコーヒーをインスタにあげたり、結婚しましたーとか言って手のひら重ね合わせて指輪の写真あげたり、
これ誰が興味あんねん死ねやって思うこと多々あるけど
しっかり俺も涼を「利用」してインスタ映え(違う意味で)狙ってたわ。笑
かと言っても、当時の思い出というものはすごく綺麗なままで、これは一生涯色褪せることはない。
彼のおかげで小学校低学年の時は本当に楽しかった。
面白かったエピソードは色々あるが、1つ紹介しよう。
涼は、藤白台の府営住宅(団地)に住んでいた。その3階に住んでいて、その向かいに青木さんという推定70歳くらいのおばあちゃんが住んでいた。
ある日、涼の家でゲームをして遊んでいた。
涼の親は共働きで、その日は家に弟のけんしん(当時3歳)涼(当時小2)、そして俺(当時小2)
だった。
弟のけんしんも兄に似たのか、もしくはそれ以上にやんちゃだった。家の障子はビリビリに破れ、ベランダの窓ガラスも割られた部分をガムテープで補修されていたし、
毎日の壮絶な兄弟喧嘩のせいなのか、涼、けんしん共に顔は傷だらけであった。
そのヤンチャな3歳の弟と、あの藤白台の悪道渡辺涼を家に残し、働きに出る両親はなんてクレイジーなんだと本気で感じた。
案の定、涼とけんしんの喧嘩はすぐに始まった。喧嘩の理由は、けんしんが腰につけていた仮面ライダーの変身ベルトを涼が「ださい」といじったことが発端。
けんしんは泣きながら、レゴを投げつける。
それが、涼の額に直撃し、涼泣く。→キレてけんしんどつく。→ケンシン泣く。
まじで無限ループ。2時間で5回このくだりがあった。
やがてケンシンが泣き疲れ、眠った。
その後ゲームを一通りやった後、お腹すいたなみたいな話になって、古江台マーケットにある精肉店の唐揚げ(1個50円 ちなみに激ウマ)食べたいなってなった。
ただ、家に帰っておこずかいをもらえるかわからない。涼も、両親が不在の為おこずかいがもらえない。
どうする、、、となったときに涼が言った。
「青木さんにもらお!」と。
その瞬間俺は「青木さん」という人は誰なのかわからない。
涼は、ついてきて!と言って家を飛び出したかと思えば、向かいの家のインターホンを押した。
ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン
いや、何回鳴らすねん。
ポケモンで、ミュウツーをモンスターボールで捕まえようとしたときにAボタン連打するくらいインターホン連打してた。
「はいはいはい」
とでてきたのは、優しそうなおばあちゃん。
これが青木さん。
すると涼が
「青木さん、500円ちょうだい。」と言い出した。
大谷翔平ばりのストレート投げるやんこいつ。わかりにくいか。
すると青木さんは
「ちょっとまってねー」と言って家に戻っていった。
いや、まさかな。くれるわけないやん。
500円なんてやばいやん。俺のおこずかいの5ヶ月分やん。絶対無理やろ。
と、思っていた。
青木さんがでてきた。
「はい。500円。これで遊んでおいで。」
まじか。となった。ちなみに青木さんと涼はもちろん赤の他人。ただのご近所さん。
涼の厚かましさと、青木さんの優しさが奇跡的に一致した瞬間。
次に涼が発した言葉で俺は言葉を失った。
「この子(俺)の分もちょうだい。」
絶句した。泣きたかった。今すぐ逃げ出したかった。
青木さんは、
「あらあら、ほんとやね。お友達もやね。」
と言って俺の手に500円を握らせた。
さすがに「僕はいいです。」と言った。
涼が、
「もろとったええねん!」と強く言った。
このメンタルの図太さはどこから来てるんや。
青木さんも「それで遊んでおいで。あげるから。」と、言ってる。
ありがたく頂戴したお金で古江台マーケットへ向かう。
ケンシンを家に残して……(その時ケンシンが家で1人寝ていることはすっかり忘れている)
小学2年生はアホなので、
古江台マーケットの精肉店で唐揚げを20個注文。青木さんからもらった合計1000円をすべて唐揚げにぶち込んだ。
見たこともない量の唐揚げを持って、近くの池のベンチで食べる。
青木さんのお金で買うからあげはうまいな!
と、涼が言う。
誰の金でも味は一緒なんやけども。
いつもは、食べても二個。今日は1人10個ある。4つ目くらいでいらんくなってくる。
からあげの油で胃がしんどくなってきた。
それは涼も同じで、「俺、もういらん!」
と、池に唐揚げを投げた。
なんか、人間の底辺を見た気がした。笑
次の瞬間、池に住んでいるブラックバスが浮いている唐揚げをものすごい勢いで食べた。
俺たち2人は、その光景をみて
すげええええええ
となった。こうなったらやることは1つ。池に残りの唐揚げを全て投げた。
青木さんの優しさ…
池は油だらけやし、環境破壊やし。
俺も青木さんの優しさとか全て忘れて、ただブラックバスが唐揚げを食べるそのインパクトに夢中になった。
唐揚げが全部なくなって家に帰ることに。
その道中に涼が青ざめた顔で言った
「ケンシン…ケンシンが家で1人やああああああああああ」
鍵もかけていない。
走って家へ帰った。家の中は、おもちゃで散らかっている。明らかに家を出る前より汚くなってる。
更にケンシンが家のどこを探してもいない。
外へでている。家周辺を探してもどこにもいない。
焦った涼は泣き出した。
めちゃくちゃ泣いてる。
青木さんに恐喝したり、そのお金でかった唐揚げを池に投げ捨てる涼はそこにはいない。
例え、毎日喧嘩してたとしてもたった1人の弟を愛する兄なのだ。
「お母さんに怒られルゥ〜えーんえーん」
あ、そっちね。笑
ちなみにその頃、ケンシンは青木さんの家であったかい緑茶を飲んでいるのであった。