外国人に接したはじめての記憶
ここは観光大国日本。
今は日本各地に外国人の姿が見受けられるようになった。
大阪難波では電化製品やドラッグストアなどが密集しており外国人の観光にはもってこいらしい。
さらに、コンビニの店員はほぼ外国人で、流暢な日本語を使い、労働している。
大阪や東京などの大都会だけでなく、自分の住んでいる村のような町にも日本に出稼ぎに来ている外国人は多くいる。
とくにインドネシア、ベトナムあたりの東南アジア系の人が多い。
あの外国人の独特な匂いや、立ち振る舞い、喋り方などに日々文化の違い、国柄の違いを感じるものだ。
平気で人前で鼻はほじるし、トイレの後は流さない。風呂は2日に1回というから驚きだ。
文化の違いはわかるけど、お前ら日本に来て日本で働いてるなら、日本の文化に合わせよ。って思う。
別に自宅なら好きにしたらいいけど、公衆の仕事場のトイレは流そうぜ、、、
食うてるものが違うから当然排泄物の匂いも違う訳で、入って排泄物が残ってると本当に吐きそうになる。
だから極力僕はトイレには行かないようにしているためか、最近膀胱炎気味である。
こんなにも外国人が日本に来だしたのはつい最近の話で、僕が小学校の頃は環境もさることながら、外国人と接する機会はほとんどなかった。
そんな僕にも始めて外国人と接する機会が訪れたのは小学校5年生。
ある日、担任の先生が、
「今日は転校生が来てます。」
と。よくドラマで見る光景。
僕は「女か?男か?めっちゃかわいい女の子こいや」って思ってた。
扉を開けて入って来たのは女の子だった。
女の子、キター♪───O(≧∇≦)O────♪
心の中ではこんな感じ。
ませたガキの僕は
「いや、別に転校生なんて興味ないで?女やろ?関係ないし俺」
的な顔を演じていた。あの時の演技はトムクルーズ級やったように思う。
その転校生の姿をよく見ると、「大丈夫?」って言うくらい細くて髪型が、戦時中?って思うくらいの髪型だった
※イメージ図。髪型に関しては激似。
お世辞にも顔も可愛いとは言い難かった。
ものの10秒前まで
こんな感じだったのに、本当に「転校生?興味ないで。」
ってなってしまった。(笑)
先生は続ける。
「転校生のジョウジンジンさんです。彼女は中国から来ました。仲良くしてあげてください。」
中国?
外国人やんけえええええ!!!!!
「ミナサン、ハジメマシテ。ワタクシノナマエハ、ジョウ、ジンジンデスヨロシクオネガイシマス。」
たどたどしい、おそらく中国で勉強してきた日本語で自己紹介をした。
教室はザワザワしている。
見慣れない外国人に、更に見た目はアジア人だからいかにも「外国人」という感じはしない。だから、不思議な感じがする。
普段何を食べているのか。どういう遊びをするのか。誰が髪の毛切っているのか。
興味がないようであるような不思議な感覚か教室中に広がっている。
特に話すこともなく数日が経ち、わかったことがある。
このジンジンに教育係的なものである女の子が毎日寄り添っていた。
その女の子の名前は大川あいかちゃん。
家が近所なのか、どういった理由があるのかはわからないが、毎日2人で一緒にいることが確認できた。
僕は、この大川あいかちゃんに恋心を抱いていた。
その恋心を抱くことになったキッカケがあるので紹介する。
当時5年3組の体育の授業でサッカーをやっていたのだが、クラス全員で30人、6チームに分かれて優勝したチームは先生から商品が出るっていうなかなか面白い企画をしていて、僕は大川あいかちゃんと同じチームだった。
そして、試合をするときに誰がキーパーをやるかみたいな話になった時にやっぱりみんなキーパーは嫌がる。
しかし、「私キーパーやってもいい?」
と、自ら率先してキーパーを勝手出たのだ。
ほんまに目がハートになった。(ていうかそもそも顔がすでに可愛い)
男子と女子の混合でやってるサッカーで男子からの強烈なシュートが来るわけ。
絶対女の子は嫌がる。
やのにこの子は仕方ないからやるわじゃなくて、やってもいい?って下から。
なんて子なん。
点を取られても、ほんまごめんとかいうて来る。
俺は「大丈夫やで。俺が取り返してきたるわ」←最高にダサい&サッカー経験ゼロ
なんていってる。
話はずれたが、こんなこともあり、僕はこの大川あいかちゃんに恋心を抱いていた。
その大川あいかちゃんが中国人の転校生ジンジンの教育係。日本の学校というものを教えてあげてる。
なんて優しい子なん。俺も中国人やったら大川あいかちゃんの教育受けれてたわけ?中国人なろかな。
なんて思ってたら僕の悪知恵が働いた…
「あの転校生に絡めば大川あいかちゃんと絡める…!!!」
なんて卑怯な手。我ながら腐ってる。
でも当時はそんなこと考える余裕も頭もない。
思い立ったったらすぐ行動。
2人で楽しそうにしゃべっているところに割り込み、
「ニーハオ。」と軽いジャブ。
ジンジンは
「…?ニーハオ。」
ポカンとしている。横にいる意中の彼女も同様に。
ここで折れてたらダメだ。次の日も、
「あーここぶつけてめっちゃジンジンするわージンジンジンジンジン…あ、ジンジンやんおはよう。」←くそおもんない
ジンジンとその横にいる意中の彼女クスリと笑う。
よし、好きな女の子を笑かした。
俺の目的はこの外国人にあるんじゃない。日本人の君だ。
来る日も来る日もこういう絡みを続けていると、
ある給食の日、ジンジンと意中の彼女は、大おかずの分配係をしていて、大川あいかちゃんが、主におかずを入れて渡すという作業をしていた。ジンジンはそれを横でみて勉強?していたんかな。とりあえず横にいた。
僕がおかずを受け取ろうと前に行くと、
ジンジンは大川あいかちゃんの左手にあったお椀、右手にあったおたまを取り上げ、僕に大盛りにおかずを入れて渡してきた。
これにはびっくりしたのと、せっかく大川あいかちゃんに入れてもらえる貴重な機会を失ったことに絶望、さらにその日の大おかずはミネストローネ。僕はトマトが大嫌い。
大盛りにしていらん。
いや、こんないらんて。戻してや。
という言葉が喉まで出てたが、いかん。
「せっかくジンジンが入れてくれたのにそれはひどい。」
とかなってしまうと俺が今まで積み上げてきたものが水の泡だ。
「ジンジン、ありがとう。」(ほんとは全く思ってない)
と、クールにその場を去り、気合いで食べ切る。
本当に苦手なトマトだから、食べ切った後、気持ち悪くなり吐いた。そして早退。(笑)
次の日ジンジンが
「ダイジョウブ?」と言ってきた。いや、お前のせいや。
それからというもの、ジンジンに執拗に絡んだ。全ては、意中の女の子に振り向いてもらうため。優しい男を演じるため。
そして、事態は思わぬ方向へと進む。
ある日、意中の彼女、大川あいかちゃんに声をかけられた。
「もしかして…ジンジンのこと好きなん!?」
いや、ちがうねんんんんんんんんんんんん
そう来るとは思わなかった。
彼女は続ける。
「ジンジンな、私多分あいつに好かれてるわって最近言うねん。私もそう思うし、告白しちゃえば??」
彼女はとっても嬉しそう。
全部繋がった。給食の時もそうやし、思えば廊下ですれ違うとき、後頭部から頭のてっぺんに向かって髪かきあげたり、なんかジロジロ見られてんなとかも思ってた。
俺は真っ向から否定
「いや、ちがうねん。大川しか仲良い子おらんやろ。大川も大変やなって思うし、俺も仲良くしてあげたら色んな人につながっていくかなって。だから冗談言ったり、話しかけたりしてるねん。」←まだ優しいやつ演じる。
「へー。優しいねんね!」
作戦大成功。
それからというもの、俺は大川あいかちゃんに告白することもなく6年になり、ジンジンとも大川あいかちゃんともクラスは離れ、俺には違う好きな人ができ←すぐ変わる
小学校を卒業した。
卒業するときにジンジンが「私は中国も日本も大好きです。だから、中国と日本をもっと近くしたいので通訳になりたいです。」
と、まだ慣れない日本語で一生懸命話してた。素晴らしい夢である。
しかし、世の中そんな甘くないんじゃ。その日本語で何ができるねん。もっと喋れるようなってから言えや
当時の僕はこう思っていた(本当に最低)
中学に上がり、中3の中間テスト。
入試も近づいてきて、僕はもう勉強し、テストに臨んだ。
国語のテスト。46点。あんなに勉強したのに、、、、。
ジンジン、78点。
いや、日本語の成長凄まじすぎるやろ。
きっと今頃世界を股にかける通訳になってるであろう。